恋愛と結婚は別物なんですよ。そのB

恋愛と結婚は別物 そのB

判断力を鈍らせる恋愛の魔力

 

「恋愛しているならいいけれども、結婚したいなら、いいわけがないだろ!」というものの典型的な例を、もう一つだけお話ししておきましょう。

 

それはいわゆる「不倫」というやつです。

 

不倫がモラルとしてどうなのか、ということは、いまはちょっと横に置いておきます。

 

好きになった人が既婚者だったという相談が、じつに多く寄せられるといいます。

 

なぜ、よりによって既婚者を好きになったのかと聞くと、いちばん多い答えは、「そうとは知らずに付き合いだした」というものです。

 

その人と個人的にお茶を飲んだり、飲みにいったりしているうちに、男と女の関係になってしまって、付き合いはじめた後に、相手が既婚者であることを知ったというのですね。

 

もちろんなかには、相手が既婚者であることを知っていて、付き合いはじめたという場合もあります。

 

いずれにしても、もしあなたの相手が既婚者であるなら、よくよく考えてみてください。

 

それは、あなたがもともと願っていたものの実現なのですか?

 

不倫の関係にはまって、ずるずると引きずってしまっている人のほとんどは、それがいいとは思っていないのに、なかなか抜け出せないという状態にいます。

 

決まって相手が[妻とは別れて君と結婚したい]などと言うからです。

 

あるいは、すでに別居中で、妻との関係はすでに破綻しているから、彼が別れるのは時間の問題だと期待している人もいます。

 

あなたがもともと恋愛を求めているなら、その関係のなかで、すでに期待していた気持ちの高揚とか、優しくしてもらうとか、ドキドキする関係とか、危険を感じるスリルとか、イチャチャするなどの結果を手にしていることでしょう。

 

モラルの問題とは別に、恋愛関係における目的は達成しているはずです。

 

でも、結婚相手を探しているなら、これほど愚かなことはありません。

 

すでに相手は結婚しているのですから、そもそも結婚している相手と結婚しようと思うことが、基本的なエラーです。

 

こんな当たり前なことをクリアできないとしたら、あなたの恋愛体質は危険レベルに達しています。

 

結婚相談所でも、ちゃんとしているところであれば、独身を証明しなければ入会できません。

 

当然です。

 

結婚というのは、結婚していない人とするものです。

 

ところが、不倫の関係にはまっておきながら、結婚に近づかないことがストレスとなって相談するのですから、これほど判断力を失った人はいないと私は同情せざるをえないのです。

 

まず、相手が嘘をついていて、あとから既婚者だと知ってしまったのだとしたら、その関係を終わらせたほうがいいに決まっています。

 

彼は平気で嘘をつける人なのです。

 

あなたは彼にとっては獲得したい獲物であって、彼はあなたを獲得するために、[誠実]という人間にとって最も欠いてはいけない徳の一つを踏みにじって、あなたと寝たのです。

 

そして、あなたの心を虜にしてしまいました。

 

恋愛だけしているなら、それも危険なゲームの1つでしょう。

 

しかし、基本的にすべての女性が結婚相手には「誠実」さを求めているのです。

 

当たり前ですよね。

 

平気で嘘をつくとわかっている人に、今後50年の人生をゆだねられません。

 

相手が既婚者であることを知っていて、付き合いはじめたという人にも言っておきますが、その相手は、既婚者なのにあなたと付き合いはじめたのです。

 

これはすでに結婚しているパートナーへの「貞操」や、人生をともに誓い合ったはずの「約束」をあっけなく踏みにじり、あなたと付き合うという軽はずみな行動を平気でできる人であるということです。

 

彼があなたの前でささやく愛は、本来ならそれを全面的に受けるべきはずの妻への背信行為ですよね。

 

それなのに、その彼の言葉を「誠実」だと思い込み「きっと君と結婚する、必ず別れるから待っていてくれ」などという言葉を信じてしまうのです。

 

そして、なかなか彼が別れてくれないと言って相談に行くのですから、驚きです。

 

そもそも彼の言葉を信じることが、幼稚な判断なのです。

 

その結果、いちばん大切な時期を、何年間も無駄に過ごしてしまった女性をどれだけ見てきたかわかりません。

 

本当にかわいそうです。

 

浮ついた恋愛にはまってさえいなければ、もっと早くすばらしいパートナーと出会って結婚していたかもしれないのですから。

 

知的で仕事もできるであろう聡明な女性が、恋愛によって判断力が鈍らされ、何をどう判断すべきかがわからなくなってしまうのです。

 

あなたが結婚したいのなら、結婚相手を探すべきです。

 

恋愛相手ではありません。

 

そのためには、既婚者は初めから候補に入れるべきでないのは、当然のことです。

 

「自分が結婚したいのか、恋愛に憧れているのか」

 

これをきわめて冷静に理解しておくことはとても大事なことです。

 

相手を変えようとしてもダメ

 

「もしかしたら、彼は自分が望んでいるようなタイプの男性ではないのかもしれない……」

 

それに気づきはじめると、圧倒的多数の女性が、まずはなんとか相手を変えようと努力してしまいます。

 

でも、これもエラーです。

 

そもそも、恋愛から入っている関係は「勘違い」に基づいているのだと気づいてください。

 

好きになったときというのは、相手のことを知りもせずに好きになるものです。

 

よく知らない相手のことが、全部よく見えてしまいます。

 

[結婚します]と言って、カウンセリングする方々に、「どうしてこの人でなければいけないの?」と聞けば、多くの場合、その答えの根拠はどうにも不確かなものばかりだそうです。

 

「彼となら、どんな苦労も乗り越えられそう」と言う女性に、「どうしてそう思うの?」と聞くと、

 

彼女は、

 

「彼は、私か病気をしたとき会社を休んですぐに来てくれたんです」と言ったそうです。

 

「発作か何かで倒れてしまったとか、そういうことですか?」

 

「いえ、結局過労で熱が出てし圭っただけだったので、よかったのですが……」

 

なるほど、彼女にしてみれば、わざわざ会社を休んでまで来てくれたのはうれしいにちがいありません。

 

きっと感動したことでしょう。

 

ところが、これはどんな苦労も乗り越えられる根拠とはなり得ません。

 

いや、むしろ逆かもしれません。

 

難しい状況を乗り越える力というのは、彼女の気持ちの問題ではなく、彼自身の「実力」の問題ですよね。

 

それは、ちょっとやそっとのことでは、ブレたりせず、投げ出さないという強い意志が発露された結果です。

 

ところが、死ぬか生きるかの一大事ならまだしも、そうでもないときに、彼女の具合が悪いからといってすぐに会社を休んでしまうというのは、冷静さを欠いているし、直情的な印象を受けます。

 

女性とは一緒にいたいけど、ストレスのある仕事の環境からは逃げ出したいという男性はたくさんいます。

 

その視点から見れば、彼のとった行動は、「どんな苦労も乗り越えられそう」どころか、むしろ難局を乗り切るための資質とはまったく逆の傾向を表しているともいえるのです。

 

ところが、彼女はそんなことは思いもよりません。

 

恋愛をしているときは、彼の行動のすべてが良く見えてしまう、とはこういうことです。

 

好きというあまりにも強烈な思いが、さまざまな問題点などを、しばらくの間気づかないようにしてくれるのです。

 

おそらく恋愛の感情が盛り上がっているときが、人間はある意味で最も寛容になれるときかもしれません。

 

つまり、ある程度の問題点はスルーできてしまうんですね。

 

言い換えると「見て見ぬふりをする」ことができるということですね。

 

しかし、一度結婚を強く意識してしまうと、これまでとは正反対になんとかして結婚相手を自分好みに変えたくなってしまいます。

 

もしかしたら、自分のカンが外れていたのかしら……と不安になると、なんとしてもそれを否定して、相手は自分が思ったとおりの人なのだと思いたい心理が働くからです。

 

結婚相手と恋愛相手の違い

 

すぐ会社を休んでしまう傾向の彼に、嫌気がさしてきた女性がいます。

 

彼は月に平均三回は「病気だ」などと言って、自分のアパートに来るというのですね。

 

すると彼女は彼の面倒を見てから会社へ出かけることになります。

 

朝、まさに出かけようとしているときに、ペルが嶋るので出てみると彼だったということもあったと言います。

 

付き合いはじめた頃は、彼がすぐに来てくれることがうれしくて仕方がなかったのです。

 

「仕事は?」と聞いても、

 

「大丈夫、大丈夫。俺は信頼されてるから。でもおまえのほうが大事だ」

 

などと言われると、グッときてしまっていたのです。

 

先ほどの彼女と同じで、そんな彼となら、苦労を乗り越えられると勘違いしてしまいました。

 

ところが、三年付き合っているあいだに、彼は三度も仕事を替えました。

 

いまは職探し中だと言います。

 

つまり、一年しか仕事がつづかないということになります。

 

彼女そのことで相談を決意したときには、すっかり幻滅モードでした。

 

「結婚する気があるなら、仕事をちゃんとつづけてよって何度も言ってるんです……。次の仕事は絶対辞めないって彼は言うんですが……もう信じられなくて……」

 

彼女は必死で訴えます。

 

「結婚するって言ってるのに、いまはもう三ヵ月もブラブラしてるんです。最近は。私かいろいろ調べて彼にすすめています」

 

さらにはこう言います。

 

「彼が決めてくる仕事は年収が私より低いんですよ。「なんでそういう仕事を選べるわけ?」って、怒ったんです。」

 

彼女のストレスはよくわかります。

 

彼のような状態では、とても結婚に向かっていくことはできないと言ってもいいでしようね。

 

ところが、彼はもともとこういう人でした。

 

けれども、結婚相手であることを意識したとたん、彼女はいままでの彼では困ると必死に彼を変えようとしはじめたのです。

 

べつに恋愛しているだけなら、イヤなら最終的にはやめればいいわけですから、考え方の違いやすれ違いがあっても、ある意味楽なものです。

 

「喧嘩になって、傷つけられて、別れて」これが恋愛の醍醐味なのですから。

 

ところが、結婚となると違います。

 

そうです。結婚する相手は、恋愛相手のままでいいわけがないかもしれないということは、誰もが気づくものなのです、結婚を意識した瞬間に。

 

それがいわゆるマリッジブルーでもあります。

 

だからこそ、自分の不安を払拭し、相手を自分の思ったとおりの人に変えたくて変えたくて仕方がなくなってしまうのです。

 

これはダメです。

 

相手を変えたいという欲求は、ぜひともいますぐ捨ててください。

 

これは余分な脂肪のようなものです。いますぐダイエットをはじめてください。

 

ずっと欲求不満になりますよ

 

なぜダメかといいますと、まず当たり前なことですが、他人の行動は絶対に自分の思ったとおりにはならないからです。

 

世界でたった一人、自分で変えられる人がいます。

 

自分でコントロールできる人がいます。

 

それは誰だかわかりますね?

 

そうです。それは自分自身です。

 

人は自分の行動については、コントロールできるし、変えることができます。

 

ところが、他人の行動はそうはいきません。

 

その人が、自分で変わろうと思い、それに真剣に取り組まないかぎり、絶対に変わりません。

 

外から圧力をかければ、そのときだけは、あなたの言うとおりにする可能性があります。

 

でも、それはテープで貼りつけたようなもので、すぐに剥がれて元に戻ってしまいます。

 

もともとコントロールできない相手の行動を、自分の思ったとおりに近づけようとする努力は、結局のところ、徒労に終わります。

 

それは実らないのです。

 

ですからこの努力の結果、刈り取る実は、あなたが疲れ果てるという、非常に非生産的なものです。

 

まだ、相手を変えようと努力しているとき、あなたはつねに、相手の変わってほしいところを意識してしまうことになります。

 

知らず知らずのうちに、いつも相手の行動のダメなところを探して、減点してしまっているのです。

 

だからつねにイライラし、「どうして、これをしてくれないの?」という思いばかりに支配されてしまうのです。

 

一度これにはまると、あなたはずっと欲求不満から抜け出すことはできません。

 

人は精神的な生き物であることは何度も言いましたね。

 

こんな心の状態では、けっして結婚しても幸せになることぱありません。

 

 

 

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