好きな人との結婚はしない そのC

好きな人との結婚はしない そのC

結婚は高校生の恋愛じゃない

 

感情に支配されてしまって、本当は別れたほうがいいような男性と、いつまでもずるずる付き合っている女性が多くいます。

 

ある三十歳になったばかりの女性もそうでした。

 

「結婚しよう」と何度も言われ、いよいよ親に彼を紹介するという時期になったのに、彼はといえば、正社員になることもなく、相変わらずのらりくらりと生活していて、彼女の家に入り浸り状態。

 

[仕事はどうするの?]と迫れば「俺に向いてる仕事がなかなか見つからない」などと適当にごまかして、なかなか真剣になりません。

 

いままで、何度も仕事を辞めていて、会社勤めが長くつづかないというのです。彼女と付き合いはじめてからの三年間に二度も仕事を替わっていて、いまは、もう四ヵ月もタラタラ生活をしています。彼には貯金もないし、結婚したいと言うわりに、結婚資金を貯めようという意欲も見えません。

 

彼女は二七歳のときに彼と付き合いはじめ、初めから結婚を意識していました。けれども、ついに三十代に突入してしまって、気持ちが焦るばかりでした。

 

彼女の話はこうです。

 

「どうやったら就職する気になってくれるでしょうか?」この手の話は本当に多いんです。

 

「結婚したい」と何度も言うけれども、経済的な責任を持とうとはしない……。こういう男とは、ズバリ結婚しないほうがいいに決まっています。高校生の恋愛じやあるまいし!

 

[結婚したい]と言いつづけ二十代後半から三十代に突人するまでの、非常に大切な時期の女性の気持ちを拘束し、その気にさせつづけておきながら、自分は仕事を選り好みして、計画的に貯めるでもなく、一生懸命働くでもなく、仕事をしつづけるという厳しい現実からひたすら逃げている「逃避癖」のある男性なのです。

 

もし彼女が、この男と付き合っていなければ、もっと別の男性との出会いの機会を積極的につくったことでしょう。友人たちも、彼女のために誰かを紹介してくれたかもしれません。

 

この年齢の女性を「恋愛」という気持ちで弄び、自由に恋愛し、自由にデートをする「自由」を奪ってしまった彼の責任はとても重いものです。

 

「高校生の恋愛じゃあるまいし!」とはそういう意味です。

 

感情は常識を麻痺させる

 

二十代後半から三十代にかけての女性の人生は、その後の人生に向けての大事な選択の時期です。場合によっては仕事を辞め、子育てに専念する人もいます。

 

もう絶対に子どもは望めまいということが明らかになった年齢とは違い、「選択の幅が広い分、その選択の幅は、付き合っている人によって大幅に制限されてしまう」という結果を生みます。これは、とんでもなく重大なことです。

 

真剣に結婚に向かっていたのに、結果的にうまくいかなかったというのとは違い、この彼の場合は、とにかく[無自覚]「無責任」以外の何物でもありません。

 

理知的で聡明、仕事もよくできる女性が、どうしてこんな当たり前のことに気づかないのでしょうか。そうです。これが「感情の虜」になっている女性の特徴なのです。

 

彼女もそうでした。

 

あるとき、彼との連絡がしばらくとれなくなってしまって、死んでしまったんじやないかと、あれこれいろいろな場面を想像してしまって、吐き気がするほど泣いたというのです。

 

わかりますよね。前述したように、想像だけで涙が出るものです。

 

「死んじやったら」ということを想像したときの[強い悲しみ]が彼女を虜にしてしまっていたのです。

 

それ以来、その日のことを想い出すたびに涙が出てしまって、彼のいない人生なんて、何の希望もないと信じてしまった日々を過ごしてきたのです。

 

当たり前の判断ができていない、「社会人としてますいでしよ?」と言いたくなる状態です。

 

実際には、彼は漫画喫茶で一晩過ごしただけでした。

 

携帯の電池が切れていて、連絡も受けられないまま、ただ寝ていたのです。でも、ネットがつながる環境だったので、彼女と連絡をつけようと思えばいくらでもできたはずです。

 

ところが彼は、それをする努力よりもDVDを観て寝てしまったのですから、この夜の彼女の涙は取り越し苦労だったということになります。

 

ここに感情の働きがあります。感情は現実を見えなくしてしまうのです。「恋は盲目」とは昔から言われていることではありませんか。

 

でも、べつに彼と結婚してはいけないと言っているのではありません。するもしないも、彼女の自由ですから。ただし、その場合は覚悟が要ります。

 

彼は結婚後も、すぐに仕事を辞めるでしょう。経済面での安定は望めません。だから、彼女が二人分がんばって働きつづけるという覚悟を持つことです。

 

それと、三十歳を過ぎて、結婚しようと思っているのに真剣に働こうとしない彼に、働いたほうがいいのだと教えるのはまるで子育てですね。彼女が彼と一緒にいたければ、大きな子どもを育てる覚悟を持つしかおりません。

 

それはそれで彼女の選択です。

 

でも、実際には、彼女は、その他のほとんどの女性が求めているように、「安心」して「頼れる」状態を必要としていました。だからこそ、彼を変えたくて必死だったのです。

 

しかし、彼の思考や態度の傾向は一日二日ででき上がったものではなく、育った環境や、それまでの経験によってできあがっているものです。これを改善していくのぱ時間がかかります。

 

もちろん改善しないと言っているのではありません。ただ時間が必要です。ですから、彼女が長いスパンで考えることができるなら問題はありません。あと四〜五年、じっくり彼を見守ろう、くらいの気持ちの余裕があれば、の話です。

 

好きになったら、見る目を疑え!

 

好きという気持ちが、いかに現実を見えなくして、いかに不確かなものであるかは、何度言っても言いすぎることはありません。ですから、結婚で失敗しないためには、まず何よりも[好き]に騙されないことです。

 

好きになったら、自分の目を疑ってください。

 

あなたは、正しく見る目、正しい判断力、社会人としての常識さえ見失っているかもしれません。なんでも良く見えてしまっている時期です。

 

[もしかしたら、これって問題なのかな……]

 

そう思っていることがあるとすれば、そうです、それは必ず問題になります。だから、好きな気持ちを横に置いてみることです。そして、好きな気持ち以外に、「どうしてこの人と結婚しなければならないのだろうか?」と冷静に考えるのです。

 

感情以外の判断基準を持っていますか?

 

感情の奴隷にならないという意味は、「感情以外に判断する基準を持っている」という意味です。それがないから、感情で突っ走ってしまうのです。これこそが私か言いたいことです。

 

「好き=結婚」以外の公式を持っているかどうかが大切です。

 

別の言い方をすると、あなたがその人と結婚すべきかどうかの気持ち以外の「判断基準」を持っているかどうかが大事なのです。

 

「好き」という気持ちが悪いのではありません。しかしそれが決め手になっていてはいけないということです。

 

なぜならば、もう一度言いますよ。気持ちは変わるからです。そして、気持ちは冷静な判断力を失わせるからです。

 

あなたが過去に恋愛をしたことがあるならわかるでしょう。あなたか相手のどちらかの気持ちが変わったから、その恋愛は終わったのです。

 

気持ちの変化とともに変わってし友う関係。それが恋愛です。

 

しかし、結婚は違います。それは、長く添い遂げることを意味します。気分が変わったら終わるタイプのものとは根本的に異なります。そうであっては困るのです。結婚と恋愛とは根本的に次元の違うことなのです。

 

ですから、結婚には、感情以外の判断基準をしっかりと持っているということが大事なのです。これがあなたの結婚後の人生の質を決めてしまいます。

 

結婚で失敗しないためには、気持ち以外の理由をしっかりと持っている人になってください。もう大人なのですから、浮ついた感情で走ってはいけません。

 

結婚というのは、したいからするというもの以上のものでなければいけません。そのためには、自分が結婚後にどうなりたいのかをしっかりと明確化させておくことです。

 

すでに述べたとおり、結婚はあなたの人生の方向を決めてしまうものです。結婚後の人生が、本来あなたが求めていたものとは違っているのであれば、それはこの世の地獄となってしまいます。