好きな人との結婚はしない そのA

好きな人との結婚はしない そのA

好きな人と結婚してはいけません!

 

「え?好きな人と結婚しちゃいけない!?」

 

そう思うのも無理はありません。

 

とにかく、結婚における最大の間違いは、「好き=結婚」だと思い込んでいる人がものすごく多いということなんです。これこそが最大の勘違いです。

 

「聞いてください。私、このままだと結婚できないんじやないかと思って不安なんです」

 

「どうしてですか?」

 

「だって、もう三〇代も半ばなのに、なかなか好きになれる人がいないんです」

 

「男の人との出会いがないということ?」

 

「いえ、出会う機会もあるし、付き合ってもみるんですけど、昔付き合っていた彼ほど好きになれる人がいないんです……」

 

どれほどたくさんの女性たちから、これと同じような相談を持ちかけられたかわかりません。

 

「好きな人=結婚する人」

 

この公式は、あまりにも当たり前すぎる前提になっています。人々はこの考えに洗脳されてしまっているのです。

 

でも私は何度でも言います。

 

好きな人が結婚相手だという思い込みを捨ててください!

 

あなたが結婚に失敗したくないのであれば、ますこの大前提を捨てることを決めてください。

 

だってそうでしょう? 少し考えれば中学生でもわかります。

 

もし好きになった人が結婚相手であって、運命の人であるのだとしたら、いままでにいったい何人いましたか?

 

子どものときから、何人の人を好きになってきましたか? いままで付き合った人は何人いましたか?

 

いままでに失恋した経験のある人は、恋愛をした経験かおるはずです。でもその人と結婚していないわけですから、いまも独身なのです。だからこのサイトを見ています。

 

ほかならぬあなた自身が、「好き」という感情が結婚の根拠にはならないということを体験的に証明しているのです。

 

もちろん、「好き」という感情が結婚したいという欲求の動機づけの一つとなることは間違いありません。これを否定しているのではありません。

 

ただ、それが結婚への公式とはなりえない、ということを言っているのです。

 

「好き」が結婚の理由だとしたら、あなたは何度でも結婚し直さなくてはならなくなってしまうでしょう。

 

気持ちはコロコロ変わるもの

 

そうなんです。これこそが、「好き」を結婚の根拠にしてはいけない理由です。

 

好きというのは「感情」、つまり[気持ち]です。そして、「気持ちは変わる」のです。だから結婚の根拠にならないということです。シンプルですよね。

 

これを客観的に認識するのはとても大事なことなのです。

 

ものすごく好きで、情熱的な恋愛をしている相手であったとしても、それそのものが結婚という人生の大事な決断の根拠になってはいけないということです。どんな大恋愛も、その気持ちは「変化」するからです。

 

「好き」が結婚の土台であるなら、その気持ちが失せてしまったとき、その結婚生活を維持する理由も同時に消えてしまいます。

 

気持ちは不変ではありません。

 

朝と夜とでは抱く気持ちに違いがあります。人の気持ちは、情報によっても左右されます。

 

想像してみてください。たとえばパーティーの席で、鶏肉だと思って食べていたお肉が「蛙」だと知ったらどうですか? 急に気持ち悪くなるかもしれません。味は変わらないのに、情報が気分を変えるのです。

 

気候にも天候にも左右されます。どんより曇った朝はなんとなく気分が滅入ってしまいがちですが、透きとおるような青空の日は、気分が爽快です。

 

わかりますよね。当たり前なことですよね。コロコロと、気持ちは変わるのです。

 

気持ちは一定でありつづけることはありません。そんな不安定で不確かなものが、人生の針路を決める人小な決断の根拠となってしまうなんて、こわほど恕ろしいことはないではありませんか。

 

気持ちを持っていかれて彼を失った女性

 

ある女性が、自分の体験についてこんなことを告白してくれました。

 

彼女には、就職後付き合いはじめて、三年も同棲しているパートナーがいました。自分がやりたいと思っていた仕事についたし、これから経験を積みたいと願っていたので、結婚はまだ先のことだと思っていたそうです。

 

けれども「結婚するなら、この人以外は考えられない」と思うほど、あらゆる点で「フィット」したというのです。いますぐ結婚はしないまでも、彼と別れることになるなどとは想像もしていなかったある日、破局は突然やってきました。

 

彼女いわく「元カレに気持ちを持っていかれた」ことが原因でした。

 

彼女には、高校時代のほとんど三年間、付き合っていた彼がいました。ところが、卒業直前に振られてしまいました。それがあまりにもショックで、二人はその後二言も口をきくことなく卒業していきました。

 

それぞれ他県に進学し、彼女は就職で東京に。彼は地元に戻り介護関係の仕事についたのです。

 

その彼と、東京駅の前でばったり再会してしまったというのです。

 

彼は、仕事でたった二日間の予定で東京に出てきていました。そのたった二日間が、彼女の人生を変えてしまったのです。

 

「駅前で突然声をかけられて、振り向くと、六年前と変わらない彼が立っていて……」

 

彼を見たとき、驚きと喜びで、一瞬自分がどこにいるのかわからなくなるほどの衝撃だったというのですね。まるでタイムマシンに乗せられて高校時代に戻ってしまったような。

 

「昨日まで一緒にいたような錯覚におちいってしまって……」

 

「別れよう」という最後のメールを受け取ったきり、彼女はその理由を聞くこともできず、心残りのまま別れることになりました。けれども、彼女のなかではずっと気になっていたことでした。

 

「どうして?」

 

彼の気持ちを確かめたい。でもその勇気もない。彼女のなかで未消化の問題は、ずっと心のなかでくすぶりつづけていたのでした。

 

人ごみのなかで自分を呼ぶ声に振り向くと、ちっとも変わっていない彼が立っていて、一瞬のうちにフープしたのですね。ずっと会いたいと思っていた彼が、あまりにも普通に、そして満面の笑みで近寄ってきたとき、彼女の心は宝物を探し当てたようなうれしさで支配されてしまったのです。

 

高校時代、まるで夫婦みたいと言われるほど情熱的に恋愛していた二人。お互いのことを知り尽くしています。恥ずかしいという気持ちもありません。

 

彼女がそのときに抱いた強い感情は、理性を麻痺させるのに十分すぎるほど強いものでした。

 

まさに「気持ちが持っていかれた」瞬間でした。

 

彼が出張中の二日間、二人は夜を共にしました。たった二日間です。

 

けれどもこの二日間で、彼女は未来の伴侶を失ってしまったのです。

 

この二日間の出来事が、いまの彼の知るところとなったからです。彼女の帰りが遅く、様子がおかしいことに気づいた彼が、こっそり携帯を見てしまったことですべてが発覚しました。

 

彼にしてみると、すでに三年も同棲していますから、結婚も秒読みだと思っていた矢先の出来事でした。

 

彼のショックは大きく、無言で荷物をまとめて家を出ていきました。それ以来、連絡はまったくとれなくなってしまいました。

 

その彼との上りを戻したいということで、彼女はカウンセリングを受けることにしたそうです。

 

彼がいなくなってしまったあと、彼女は元カレにも連絡をしてみました。

 

すると、驚いたことに、元カレはすでに結婚していたことがわかったのです。子どもまでいました。彼女は体よく遊ばれてしまったのです。

 

彼女は自分の失敗の原因が何なのかをよく理解していました。それは、彼女が自分の「気持ち」の高ぶりを抑えられなかったことです。

 

「気持ちを持っていかれた」のですから。

 

彼女は、まさに感情の奴隷になってしまったのです。

 

感情というのは、理性の箍を外してしまう破壊力を持っています。

 

なすべきではないとわかっていることを、させてしまう支配力を持っています。それは強力であり、しかも刹那的です。

 

話を聞いたときの彼女は、自分の愚かさに打ちのめされていて、あの二日間の高揚感は完全に失せていました。むしろそれを思い出すと、自分と元カレヘの怒りと否定的な想いがわいてきて、自分を保つのが必死の状態でした。

 

駅で出会った瞬間に、燃え上がってしまった[一時の感情]によって、彼女はあまりにもフィットする相手を失ってしまったのです。重すぎる代償でした。

 

あなたも、感情の奴隷になってしまうと痛い目を見ることになりかねません。

 

ですから今日決めてください。

 

「私は感情の奴隷にはならない」と。それが失敗しない結婚への態度です。

 

 

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